当学会について

会長からのメッセージ

  • 会長浅野浩志
    会長 浅 野 浩 志
  • 第40期総会で第12代会長に選任されました浅野浩志です。本会は、第2次石油危機を契機に、1980年4月に「エネルギー・資源研究会」として設立され、10年後の1990年に「エネルギー・資源学会」と改称されました。2020 年には40 周年の大きな節目を迎えます。

    令和:beautiful harmonyの時代は、新たな文化が生まれ、育つとされます。学会はオープンに参加し、多様な考えを議論する場、すなわち、令和を実践する場と言えます。一つの元号は原則一世代ですから、令和元年にあたり、2050年頃までを視野にエネルギー・資源問題と本会の在り様および役割を会員皆様と考える良い機会と捉えております。

エネルギー・資源の安定的な供給と効率的かつ環境調和的な利用が本会の基本的なテーマであり、今後も変わりません。本会は幅広い専門領域および多様な業種の法人会員で構成される特徴を有し、特定の専門分野に偏らず、俯瞰的にエネルギー・資源の需給問題を論ずるところに特徴があります。別の見方をすると、エネルギー・資源を通じてあらゆる産業分野・民生分野とつながっています。急速に進展するデジタル化という技術革新を背景に、情報通信、運輸などとエネルギーセクターの融合は急展開する可能性を秘めています。サーバーセキュリテイの脆弱性など負の側面を最小化しながら、人中心の社会、すなわち、Society 5.0に近づいていくのではないでしょうか。

さて、会長就任にあたり、微力ながら、本会の一層の発展のため、次の三点を進めていく所存です。

第一に、本会の社会からの認知度を上げ、発信内容の信頼度を高めることです。エネルギー・環境・資源分野の政策提言を行う際に、証拠に基づく政策立案であることが望ましい。例えば、協調分野の公的統計の分析から始めて、いわゆるビッグデータ解析を踏まえた、政策評価および設計に結びつく研究を後押し、政策当局との連携を学会の新たな役割に加えていきたい。このためには、データ分析に基づき、学術的に信頼される質の高い研究成果を発信し続けることが必要です。統計法の一部改正により学会の枠組みの中で、大学等の研究者のみならず、民間組織の研究者でも政府統計情報を活用できるようになりました。今般、環境省殿の協力を得て、「家庭部門のCO2排出実態統計」について当会内に研究会を立ち上げる機会を得ました。広く会員にデータ分析した結果を当会で発表していただき、社会に発信していく形を整えていきたい。その結果、社会から様々な反響を得ることが本会のプラットフォームとしての役割と心得ます。

第二に、他の学会にない魅力を強化して、会員数の減少傾向に歯止めをかけ、学会運営の財務体質を頑健にしていきたい。鍵は、会員および潜在的な会員にいかに有意義で創造的なコンテンツおよび議論の場を提供できるかであります。歴代会長、役員、企画・編集実行委員らは研究プロジェクト、エネルギー政策懇話会、サマーワークショップなどを通して、本会の特徴を他学会と差別化し、実現してきました。例えば、エネルギーシステム・経済・環境コンファレンスの企画セッションに始まる長期エネルギー需給の課題への取組みは、研究会に発展しています。密度の濃い意見交換を行い、それぞれの所属の大学、企業等で研究成果を活かすことはもとより、本会が大きく貢献できるエネルギー・環境・資源政策の提言を社会にわかりやすく発信することが眼目であり、力を入れていく。

最後は、本会に関わる専門分野および業種の裾野を国内外で広げ、長期的に発展できる学会に進化させることです。研究プロジェクトや学会行事に参加する業種も少しずつ多様化しつつあります。従来のエネルギー・資源に関わる業種から、情報通信、交通、金融、保険など他の社会インフラと融合する分野も有望と考えます。

令和の時代を迎えて、約40年間の本会の活動の蓄積の上に、新たな視点でエネルギー・資源・環境問題の解決につながるイノベーションを先導する本会の役割およびプレゼンスが一層高まるようにご協力、ご指導をお願い申し上げます。