3.11東日本大震災から6年経過しましたが、日本ではいまだに原子力エネルギーのあり方について様々な議論が続いています。一方、世界を見渡せば、中国・インドといった新興国などを中心に、原子力に対して依然高い関心が持たれています。特にこうした国は、新たな原子力技術に対する開発を積極的に行っています。
言うまでもなく、すべてのエネルギー技術には様々な利点と問題がありますが、現在の原子力技術についていえば、核不拡散、過酷事故リスク、核廃棄物(バックエンド)、ウラン資源の枯渇などの様々な問題がついてまわります。こうした状況を解決するために第4世代原子力、核融合、モジュラー型炉、トリウム炉、海水ウランの利用などの研究開発は続いています。またバックエンドでも核変換などの技術も研究されています。
未来技術が提示するのは、技術的な問題に限られません。未来技術は根本的な不確実性がある一方、一般市民やステークホルダーの考え方を踏まえて、技術開発の方向性を決めることもある程度可能です。様々な分野の萌芽技術での分野の経験を踏まえ、技術開発の上流段階から市民やステークホルダーとの対話(upstream engagement、アップストリーム・エンゲージメント)の重要性が主張されており、原子力エネルギーの未来技術もその例外ではありません。
本ワークショップでは、原子力技術の未来に真摯に向き合い、その可能性とリスクについて勉強、議論していきます。その際、日本の原子力技術研究開発の過去の教訓も踏まえることとします。ワークショップを通じて、基本的な議論・ディベートの仕方やチームビルディング過程を体験することも目指しながら、上記のようなエネルギー技術の将来像や技術を組み合わせて全体で効果を最大化するための考え方を共に学びます。多様なバックグラウンドをお持ちの方々のご参加を、お待ちしております。
〔テ ー マ〕「長崎で原子力エネルギー技術の未来を社会とともに考える」
〔主 催〕エネルギー・資源学会
〔共 催〕長崎大学環境科学部
〔協 賛〕環境経済・政策学会,省エネルギーセンター,電気学会九州支部,日本エネルギー学会,日本原子力学会,日本原子力学会若手連絡会
〔開 催 日〕平成29年8月21日(月)10時開始~8月22日(火)16時終了
〔会 場〕長崎大学文教キャンパス(長崎県長崎市)
〔参加費(消費税込)〕
正会員・特別会員・共催/協賛団体会員7,000円,学生会員2,000円,非会員10,000円
※1.非会員の方でも参加申込みと併せて入会手続きをしていただければ、会員資格で参加できます。
※2.技術交流会参加費 正会員・特別会員・共催/協賛団体会員・非会員3,000円,学生会員1,000円
〔支払方法〕①銀行振込 りそな銀行御堂筋支店(普)No.1024046 ②郵便振替 00930-5-302948
〔宿 泊〕東横INN長崎駅前 (〒850-0036 長崎県長崎市五島町5-45,TEL 095-825-1045)
※1.参加者、幹事が夜も集まって議論する合宿形式を想定していますので、可能な限り上記宿泊先をご利用下さい。上記宿泊先をご利用の場合は、申し込みの際に申請をお願いいたします。また、交流のため相部屋の場合もございますので、ご了承下さい。
※2.宿泊費:約4,800円/泊~約6,500円/泊(税込・朝食付・当日現金払)を予定しております。
※3.前泊が必要な場合は、お申込み時にその旨申請をお願いいたします。
〔申込方法〕以下の申込フォームよりお申込み下さい。
※参加者相互の交流促進のため、自己紹介シートも併せて送付下さい。
(送付先:webmaster@jser.gr.jp)
〔申込期限〕平成29年8月10日(木)(定員に余裕があれば以降も受付可能)
〔問合せ先〕
ワークショップ詳細:永井 雄宇(電力中央研究所,E-mail:nagai-yu@criepi.denken.or.jp)
その他:一般社団法人エネルギー・資源学会 事務局
TEL:06-6446-0537 FAX:06-6446-0559 Email:webmaster@jser.gr.jp
〔過去実績〕
本ワークショップは1999年から毎年開催しており、若手会員が共に学び、交流する場として本会に定着しております。過去のテーマなど詳細は、Webサイト(http://www.jser.gr.jp/summer)をご確認下さい。
〔ワークショップ概要〕
本ワークショップは、「講演」「グループワーク」「ディベート」の3つに分けられます。「講演」はワークショップテーマに関する情報・知識のインプットを目的とし、参加者同士がディスカッションを行う上で共通認識を持つようにします。「グループワーク」は、最後の「ディベート」のために、ディスカッションを通して主張をまとめることが目的です。各グループには幹事がファシリテーターとして入り、ブレインストーミングやKJ法などのグループディスカッション手法を使いつつ、各グループを活発化させます。全体を通して学生・社会人が一緒になって行動・議論しますが、基本的に立場の上下はありませんので、学生も自発・積極的に発言することが求められます。最後の「ディベート」は本ワークショップのアウトプットの場と位置付けており、各グループ間のディベートを通して、ワークショップテーマの本質に迫ります。
〔スケジュール〕
8月21日(月)
9:30 受付開始(長崎大学 文教キャンパス 環境科学部棟 1F)
http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/access/bunkyo/index.html
10:00~10:10 「サマーワークショップ2017のねらい」(国立環境研究所/地球環境戦略研究機関 藤野 純一)
10:10~10:30 ワークショップ概要説明(幹事団)
10:30~11:30 基調講演「3.11後の原子力政策の課題」
…長崎大学 鈴木 達治郎 氏
11:30~12:30 基調講演「低炭素社会の革新炉」
…エネルギー総合工学研究所 松井 一秋 氏
12:30~13:30 昼食
13:30~14:45 グループワーク
14:45~15:00 休憩
15:00~15:45 講演「核融合エネルギー開発の動向」
…地球環境産業技術研究機構 魏 啓為 氏
15:45~16:30 講演 「放射線被ばくと健康影響~長崎,チェルノブイリと福島~」
…長崎大学 高村 昇 氏
16:30~17:15 総括・ディベートの説明
18:00~19:30 技術交流会(検討中,司会:永井 雄宇(電力中央研究所))
19:30~ 宿泊先(東横INN長崎駅前)へ移動
8月22日(火)
9:15 会場集合(長崎大学 文教キャンパス)
9:30~11:00 ディベート準備
11:00~12:30 ディベート(2回)
12:30~13:30 昼食
13:30~15:00 パネル・ディスカッション
(コーディネータ:藤野 純一,パネリスト:調整中)
15:00~16:00 全体報告・総括
16:00 解散
〔代表幹事〕藤野純一(国立環境研究所/地球環境戦略研究機関)
〔幹 事〕井上智弘(科学技術振興機構),井上麻衣(リバネス),小澤暁人(産業技術総合研究所),白木裕斗(滋賀県立大学),杉山昌広(東京大学),鈴木研悟(筑波大学),永井雄宇(電力中央研究所),藤澤 星(フジサワ),古林敬顕(東北大学),山口容平(大阪大学),渡邊裕美子(三菱総合研究所)
〔世 話 人〕松橋隆治(東京大学)
申込
申込は終了しました。